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日本のためになることは「米を食べる」ことだった?

再掲載しておきます。

2017年01月28日(土)

「日本と世界のために何をしたらいいのか」。はい。漠然とでしたけれど、私もいつも考えていました。そして、思いついたことを実行に移したこともよくありましたが、後で考えて明らかに「あれは失敗だった!」と思ったこともあります。

最近、元駐ウクライナ大使兼モルドバ大使で元防衛大学教授の馬渕睦夫氏が「和の国の明日を作る」というインターネット番組上でおっしゃっていたことを聞いて感銘を受けました。(何番の内容だったか忘れました…。)

確か、視聴者からの質問に馬渕氏が答えておられた時だと思います。「どんどん厳しくなっていく世界情勢の中、世の中をよりよくするために、何をすれば良いのか」というような質問でした。質問者は、何か世界を変えるために情報発信したり、何か行動を起こして人々に訴えていかなければならない、と思ったようなのですが、馬渕氏の回答は意外なものでした。

「まず、米を食べましょう」ということでした。

「へ?」と一瞬、目が点になりましたが、その後、深く納得しました。

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日本の文化は、12000年前のイネのプラントオパールが発見されているように縄文時代にすでに始まっていた「稲作」が土台にあってすべてが回っている国です。


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■九州大学 九州先史時代遺跡出土種子の年代的検討(平成14年度研究 プロジェクト報告)

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馬渕氏は私たちの文化と生活土台である米を食べて、稲作文化をしっかり守っていくことが、国を経済的にも文化的にもしっかり安定化させることである、というような趣旨のことをおっしゃっていました。お米と稲作は、日本と日本人にとって、助け合いの精神を象徴する文明の土台であり、祭祀という精神文化の中心であり、経済の基本であり、食べ物でもあり、健康と長寿の礎であり、国力を養う根本であると言えます。

世界を見渡してみても、日本ほど平和で豊かで清潔で安全な国はありません。また、日本以外に伝統文化を保ちつつ高度な最新技術を導入できた国はほかに例がありません。自国の状況を少しでもよくするために、諸外国が今、日本的なやり方や考え方、日本のような安定した社会の運営の仕方などを学びたいと思っています。(まちがったところに頼ってしまうと、丸ごと国を乗っ取られるようなことを散々、されてきた国々が多いので、それは出来ればしたくないのが途上国の本音なんです。)

しかし、みんながお手本にしたいと言っている日本がグラグラしていては、世界に貢献することはできません。それから、健康面から言っても、日本人は米を食べても太らないし、食べた方が健康になるという調査結果も出ています。そういえば、GHQが日本に小麦を売るために、「米を食べるとバカになる」というプロパガンダをやりましたが、最近では「米を食べると太る」という誤った情報が流されています。日本人の体質に合った米を食べれば、より健康になり、病気が減れば、無駄な治療費もかかりません。

昔から日本では、食事は「神事」とされてきました。国学者の本居宣長は、以下のような和歌を詠んでいます。

味(たな)つもの百(もも)の木草も天照(あまてら)す
日(ひ)の大神(おおかみ)の恵(めぐみ)得てこそ

美味しく味わうもの、頂くすべてのものも
私たち日本人の祖先であり、天皇のご先祖である
天照大神(あまてらすおおみかみ)太陽の神様のおかげです

本居宣長の和歌

また、馬渕氏は「できるだけ、高いものを買ってください」と仰っていました。これは、「とにかく高級品を求めろ」という意味ではなくて、(国産で真心こめて作られた)良いものに対して、それなりの対価を払うことによって、良質なものを作るという文化を経済的に支えて、受け継いでいく、という意味があるようです。私たち日本人が安いものばかり買ってしまうと、日本のもの作りの文化が廃れ、経済も活性化しません。

プラスチック(PVC)や人工甘味料(アスパルテーム)などを取ってみても、原価が驚くほど安いものなどは、人体に危険をもたらすものが多かったりしますしね。

さらに、馬渕先生が仰っていたのは、例えば外で可愛い子どもがいたら、「可愛い赤ちゃんですね」などとお母さんに声をかける。そんな小さな行動の積み重ねが、日本をよりよい国にしていくことにつながる、と。小さな行動ではあるけれど、その人やその場が和んで、和やかな地域を作ることにつながるのです。「世界を良くする」とか、「日本を良くする」とかいうと、何か政治家や弁護士になって世の中を変えるとか、マスコミを使って人の意識を変えるとか、大規模なことを考えがちです。でも、土台というか、基本に立ち返って、そこを大切にすることが、遠回りに見えても実は一番効果があるのかもしれません。

豊葦原(とよあしはら)の千五百秋(ちいはあき)の瑞穂の国は、これわが子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり。爾皇孫(いましすめみま)、就(ゆ)きて治(し)らせ。行矣(さきくませ)。宝祚(あまつひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、まさに天壌(あめつち)と窮(きわま)り無かるべし。
日本の国は秋になると稲穂が豊かに稔る水田国家であり、私たちの子孫が治める国です。なんじ皇孫世、これから行って国を治めなさい。幸せでありなさい。天の日嗣の血統を継ぐものが栄えること、天地と共に永遠できわまりないだろう。
天壌無窮の神勅 -(日本書紀)


*注:以下のマコモの記事で書きましたが、そもそも「葦原」とは稲(米)の原種であるマコモではなかったのか、とも言われています。 

■九州大学 九州先史時代遺跡出土種子の年代的検討(平成14年度研究 プロジェクト報告)

■四国新聞 縄文前期、イネ栽培か/プラントオパール大量に(2005年2月)

by siliconvalleybiz | 2019-09-26 10:22 | マコモと日本文化